2007鈴木2号のロンドン日記(英国・ロンドン)

ロンドン・コーリング2007 其の1

2007年一月初め。ロンドンに行く準備もそろそろしないと
と思いつつ何から準備していいかさっぱりでした・・・。
今回私にとって初めての海外旅行・・しかも一人旅でした・・・。

不安と期待が交錯するなか、ガイド本を書店でひとしきり立ち読みして一冊の本を買って準備に取り掛かかりました。
海外旅行というものは色々面倒くさいなあ・・・って思いながら色々準備する作業は何気に楽しかったりしました。
初めて訪れる異国の地を想像しながら色々買い揃えるのです。
携帯歯ブラシ、ピルケース、防寒用具、バッグ、厚手の靴下、機内で聴くCD、お洒落な電卓、洋服用圧縮袋、カメラ、フィルム・・・・・
準備段階でもう旅は始まっているんだなあ・・・なんて考えたり・・。
恋を夢見る乙女のような気持ちでポンドに両替しました。

成田空港へ向かう電車の時点で(ていうか、ガラガラ引く旅行用スーツケースを引いてる時点でコーフン!!)既に緊張でした。
成田空港も初めてでキョロキョロし過ぎで完全に田舎もんでした。
まず空港で思ったのがここから皆日本を脱出して色々な国に行くんだあ・・・
凄い場所だなここは・・と小学生レベルの思考で思いました。
私はロンドンで過ごす事もとても楽しみでしたが同じくらい飛行機の中での時間も楽しみでした。飛行機、空港、空、雲・・・ああ、なんてロマンチックなんでしょう・・。
半日も空を飛ぶなんてこんな非日常的なことはありません・・。
まず空港のスマートでインターナショナルなイメージが堪りません。
航空会社のデザインも素敵です。そして飛行機・・・カッコよい・・・。
私は日本時間の昼12時に出発してロンドンの昼15時に着く便に乗ったんです。
飛行時間(12時間位)で時差(9時間)を埋める感じで時間を遡るんですね・・・。
とりあえず、離陸すると成田?北海道?ロシア?北極?スカンジナビア半島?ロンドン
みたいなルートでそんなところの上空を飛ぶなんてとんでもなく凄いことだと思いました。私は窓際だったので、もうずっと窓の外ばっか見てました。

日本から離れるとだんだん外は暗くなり昼から明け方に戻る感じで機は暗闇に進むのです。こんな感じで時間に逆行する事ってなかなか神秘的でした。
真っ暗闇のロシア上空、北極上空、とっても不気味で怖かったです。
でも、キレイでした。うっすらと月の明かりで照らされる雪山の姿はシュガーパウダーのかかったケーキのようでした。
各シートに備え付けられたインタラクティブモニターでは映画など各個人で楽しめるのですがそのシステムの中に今乗ってる飛行機の現在のデータが見れるのですが(今何処を飛んでるか、外気の気温飛行時間、スピード・・・)
そのデータを見ながらずっと窓の外ばっか見てました。
音楽も聴きながらと思ったのですが、飛行機の音(羽が揺れる音や、エンジン音、風の音)や機内の環境音をずっと聴いてました。途中からアンビエントな抽象的な音楽を聴いてました。やがて、北極の暗闇から空が明るくなり、スカンジナビア半島の上に来ると眼下には雪山と緑の街が広がっていました。いかにも北欧らしい風景でした。

それから2時間くらい経つとイギリス本土の上空に・・・
そして機体は弧を描くように降下して行くと茶色い屋根がたくさんに連なる
ロンドンの町並みを過ぎてとうとうヒースロー空港に突入していったのでした・・・。

ロンドン・コーリング 其の2

1月8日午後3時・・ヒースロー空港に着くとそこは人種のルツボ・・・
こんなたくさんの外国の方を見たのはおそらく初めてで・・
とまどいつつも入国審査へ。日本人の人も少しいた。
みんな英語喋れるんだろな?と思いながら入国。

日本では周りに日本人がいるからちょい恥ずかしくて思い切り喋れないけど、ここは英国・・・何も躊躇せずに英語を喋れる(喋れないけど)ていうか喋らなければならない(受験英語だけど)。
がんばって下唇噛んで、舌の微妙な動きと腹式発声で英語のニュアンスを出してがんばろうと思い、まずはタバコタバコという事で喫煙所へ・・・
そこで「火を貸してください」と一人の日本人青年が声かけてきた。
彼はロンドンの音楽学校でクラシックギターを学んでいるという。
でも思いっきりベルトのバックルがレッドホットチリペッパーズのマークだった。
彼はまだ3ヶ月くらいしかロンドンに住んでないく、英語もそんなに喋れないゆえ学校に友達もいないから大変だと嘆いていた。「それは大変だね」と話ながら「でもね、俺もこれから3日間大変なの・・」と心の中でつぶやいた。

彼におすすめサブカル情報を頂き「ありがと、頑張ってね」とバイバイしていざ地下鉄!TUBE!GOING UNDERGROUND!です・・・が、まず喉かわいて売店で水と絵葉書を買ったが・・初ポンド支払いにいきなりつまずきます。「いくらです」という店員の言葉が聞き取れない・・・
発音良すぎです・・・とりあえず札出しとけばと札出していっぱいお釣りもらったりして・・そして切符を買いに券売機へ・・列に並び買おうとやっぱり札を入れようとしたが入っていかない・・・並んでる人が「アイツナニヤッテルンダ」的な視線を感じて買えないまままずその場から逃げた・・・切符も買えないのか俺は・・とちょっと凹みながら窓口で買う・・が、駅員が何か聞いてきた・・・しかし、やっぱ何言ってるか聞き取れず凹み顔で何故か「YES・・」と言ってみた。

地下鉄はとてもわかりやすく作られていて路線がシンプルな仕組だった。
ちゃんと路線ごとに色分けされており東京の路線より全然判り易かった。
天井は低くTUBEというだけあって管みたいに丸い作りでカワイかった。
宿のあるパディントンまでヒースローエキスプレスという特急列車もあったが高いし、TUBEでまずはロンドンの雰囲気を味わおうと周りをキョロキョロ・・。
浅草銀座線みたいだった。パディントンまで辿り着き売店でLONDON A TO Zという細かい通りまで載っている地図を買う。
それで宿を探し出した。

もう6時になっており外は暗くなっていた。とりあえず宿にチェックイン。
受付のミセスにいろいろ注意事項を説明されるが三分の二は判らなかった・・。
多分大事なこと言ってるんだろうな・・と思いながら聞き流した。
シェイクスピアーホテルという名前だが正直ホテルでない。B&Bだ。
シングルルームは8畳くらいの部屋に電話ボックスみたいなガラス張りのシャワー室、ベッドがどーんとあり、机、テレビ、クローゼットがあった。
一人旅行者用の寝るだけの部屋という感じ・・。シミだらけの寝具にちょっと引いたが、まあ、こんなもんか・・と思った。飛行機で興奮して一睡もしなかったので時差ボケMAXに・・・。

初日は宿周辺を調査しようと思ってたのでまあよかったけど・・・。 とりあえずお腹も空いてきたのでPUBを見つけてみた。
FISH&CHIPSを食べようとね!こじんまりとしたPUBは勇気が要ったので少し大きなPUBへ行ってみた。やっぱりPUBいっぱいあるな・・。
ビールでYOUNGSの生があったから頼むと「もう今日は終わった」とのこと・・・
仕方なくギネスを・・。英国ギネスはどんなものかと・・。味は日本で飲むのと変わりなかったです。サービングもシャムロックなど泡に描かず普通に注いでました。F&Cはやっぱでかかった・・。盛り付けも皿に大雑把にのっかってるだけで味も薄味でした。向こうの人はテーブルにある塩、コショウ、ビネガーで自分で好きに味付けるみたいですね・・。
BGMはR&Bがかかってました。ミッシー・エリオットなど・・・

寝不足もあったんでギネスパイント1杯で終了してコンビニみたいな店でお菓子とジュースを買って宿へ・・。部屋で友人に今日買った絵葉書で手紙を書いてTVを観てたらいつのまにか寝ていました・・。
こうして初日は終わっていきましたとさ・・。

ロンドン・コーリング 其の3

1月9日(火) ロンドンに着いて2日目。
昨日は初めての異国の地でまるで初めて裸の女性を目の前にした童貞の如く何も出来なかった私でして今日はがんばるぞ(何をがんばるというのだ・・)という意気込みでいきなりロンドンで初めての朝、堂々と二度寝をぶちかまして危うく朝食を食べ損ねました!

朝食はコンチネンタルブレックファーストと宿泊チケットに書いてあって、食べれるのは小さな食パン、ゆで卵、バター、ジャム、牛乳、コーヒー、数種のシリアル、別途料金を払えばベーコンエッグを作ってくれたが僕は贅沢をせず与えられた選択肢を見事に組み合わせて食べてやりました!

朝食後、夕べトイレで大きい方の排泄をした際に大きすぎたのかわからんが僕の分身が流れてくれないというロンドンならではの水圧の低さ(ウワサで・・)の洗礼を受け、困ったな・・という感じでそのまま寝てしまい(フロントにこの状況を英語で説明はかなり難しいし)朝に恐る恐る祈るようにレバーを倒せば・・奇跡が・・・!
流れてくれました。
この奇跡に気分を良くして、いざ宿の近くのハイドパークへ!!
ミック・ジャガーがかつて亡くなったバンドメンバー、
ブライアン・ジョーンズへの詩を読み上げた伝説のハイドパーク・・・
ところがね、一月の朝のハイドパーク・・

人がいねーっつーの・・・!!!
寒ぃーし・・・!!!
枯れ木と落ち葉ばっかりで
さみしいっつーの・・・!!!

でも、さすが英国の公園です。公園の周りにはジョギングコースがあるんですけどその外側に乗馬用の砂のコースがあって何人か乗馬の練習をしてたんです。
珍しいからずっと見てました。

馬を。。

さみしさいっぱいになったんでハイドパークを抜けMARBLE ARCHからTUBEに乗り取り敢えず有名なPICADELLY CIRCUSに・・・
観光客がパラパラといてデジカメであの有名な噴水をバックにパチパチと・・
僕はそのパチパチ撮ってる人をパチパチと・・(笑)。

PICADELLY CIRCUS近くにCDショップHMVがあったので
早速現地の音楽事情調査を始める。僕は粗方決めていて今日はCDショップ、中古CDレコードショップなどを見て周ろうと・・
HMVはそうなれば最初にはいい指標になるなと思い、A?Zまで一通り品揃えをチェック。う?ん・・あんま日本と変わらないな・・・
でも、日本には入ってこない英国ならではの選曲のオムニバスCDは見てて楽しかった。その中からOASISマスター鈴木社長に80'Sのオムニバスをお土産としてGET。自分用にもPOWER POPオムニバスをGET。
ひとつ気づいた事は英国HMVは店内のBGMがでかい!なかなか良いものだと思った。

HMVを後にしてSOHOのお店を見て周る。
日本で言うと吉祥寺や下北沢みたいに気の利いたお店が並んでいた。
古本屋、画材屋、おもちゃ屋などで安くてお土産になるものをGET。
CDやレコードのセレクトショップでは本場英国のイケてる音楽をチェック。
流石であった。SALE中の7インチ盤をいくつかGET。
中古CD屋は凄い量の在庫だった。ポンドは高いので(日本の2.5倍)
日本円に換算しても日本で買うより安いものを探すのはなかなか至難の業であったが、かなりレアでお得なLPを友人お土産用に数枚GET。

SOHOを後にして今夜ライブを見に行くライブハウスがあるKING'S CROSSST,PANCRASS駅へ。
お目当てのライブハウスをやっとこ見つける。
ライブハウスって言うよりパブだ。でも、スケジュールに日本で調べてきた今日出る予定のバンドの名前が無い・・。
中でリハやってるので入って今日のACTを確認してみる。
カウンターにいる怖そうなおっさんに
「今日のOOXXのライブはここでいいのか?」
って聞いたら
「今日はプロモーションオンリーのライブでOOXXは出ない」
って言われた・・・。
ここで僕は重大なことを察知した。
多分僕がネットで調べてきたライブ情報は去年のものだったかもということを・・
明日のスケジュールも多分・・・。

落胆しながら、取り敢えず他のライブハウスを訪れてみた。
本当は明日行こうと思っていたCAMDENにBARFLYという有名なライブハウスがあるのでそこに行けばなんかやってると思いCAMDENへ。
夜のCAMDENは少し物騒な香りが・・・柄の悪いブラックの人達が橋の近くでタムロしてる・・・。かなり怖い・・。ヤバイ、目が合った・・・。
なんか話しかけてきた・・。
そしたら「SMOKE?,SMOKE?」だって・・(笑)

ライブハウス(やっぱりパブと合体してる)を無事見つけMURPHYSドラフトを飲みながら(日本今もう飲めないし!)
3組のロックバンドを見る。う?んかっこよい!
テキトーな感じがいい。ルーズに楽しく演奏している。客も楽しそう。
タイバンのバンド同士も楽しそう。俺も楽しそうだったに違いない・・。
こんな内容が5ポンドで見れるとはかなりお得だ。

いつか今日見たバンドが
日本でライブをする時が来るのかなあ?がんばれ?なんて思いながらほろ酔いで宿に帰る。ケンタッキーでチキン、サラダ、ポテトなどが入ったセット(5ポンドちょいした・・・日本円で1000円以上)を買って、宿でささやかな夕食。
流石に今日はいっぱい歩いたし(迷ったし?)、CDもいっぱい見て周って、ライブも無事観れて、疲れたけど楽しかったな・・
お目当てのライブハウスでライブを観れなくて急遽違う街へ行ったりしてお陰で地下鉄にだいぶ慣れたし・・。

しかし、思ったのはやはり音楽が生活に密着している。
地下鉄構内でもストリートミュージシャンがライブをしてるし、地下鉄のポスターもOASISのBEST盤だったり、音楽が普通に街に溢れてるし、ライブでもみんな音楽との接し方が自然で上手だ。
駅で配ってる新聞に於いてもロックミュージックのNEWSは重要なトピックだし、ビートルズ、ストーンズなどを世界に送り出した国だけあってロックミュージックには誇りと愛着があるに違いない・・・・。

そんな事を考えながら電話BOXみたいなシャワー室で壁にヒジをぶつけてべそかいてみたりして二日目終了?!

ロンドン・コーリング 其の4

1月10日(水) ロンドンに着いて3日目。丸々一日使える最終日ということもあって気合を入れて起床。今日はマーケット中心に廻ろうと思いまずカムデンへ。昨晩も訪れたのでちょい慣れた感じでカムデン入り。
予定はカムデンロックマーケット→ノッティングヒルに移動→ポートベローマーケットという感じ。午前カムデンへ向かう途中三日間地下鉄乗り放題の3DAYトラベルカードで改札を通る時に何故か扉が閉まる・・・。
多分テロへの警戒なのかは解らないが、いちいち駅員の居る所まで行かないといけないので面倒・・・。

カムデンは土日には賑やかに蚤の市が開かれるらしいが今日はあいにくの平日・・・なかなかさみしい感じ・・・。取り敢えずカムデンストリートを散策して竹下通りにある様な店を色々見る。いかにもバッタもんのバンドTシャツや安そうな布地のTシャツが多い・・。気の利いた古着屋を探していたがあまりない・・。一軒だけあった気の利いた古着屋で革ジャンを物色。ヒースロー空港で出会った青年がロンドンでお得な買物は革ジャンだと言っていたし・・・。

で、その通り革モノは安かった。僕はそこでスリーブが革のスタジアムジャンパーを買った。£20くらいだった気がします。その店の店員の女の人がとてもオシャレさんで店内でかけてた音楽がたまたま僕の大好きなバンドのCDだった
のでそのアルバム1枚丸々聴いてしまった・・。まさかロンドンでそのアルバムを聴けるなんて思ってもみなかったからその時とても感激した。聴いてる間いろいろ試着して結局黒のベルベット地のジャケットとお土産用にニット帽、マフラーを買った。その店での会計の時、レジが壊れてしまって店員さんが笑いながら「What's going on....」と首を横に振りながら嘆いていたのが印象的だった。
こういうときに「What's?...」は使うんだあ?と思った。

店を出ると曇り空から一転して急に霧雨みたいなのが降ってきて傘なんかないから(みんな傘あんまささないね)「わあっ」って適当に店の軒下に入って「なんかロンドンぽいナ?・・・」なんて思いながら目の前で果物売ってるテントの店のシートが風と雨で大変なことになってるのを半笑いで薄情に見てました。

それからカムデンではパブグッズがたくさん売っている店があり、ブリキの看板やパブミラー、バーマットなど欲しい物ばかりで・・・・。お金が足りないし、荷物になるし・・・
結局バータオルを大量に買ったり、小物をGETした。一度買った荷物を宿に戻って置き、それからまた別の町へ。ノッティングヒルのポートベローマーケットに行こうと思い、ロンドンバスに勇気を出して乗ってみる。バスは窓が大きく、低速度で丁寧に町並みを縫って走って行く。すごく気分が良かった。

ノッティングヒルに着くとポートベロー通りを探す。カラフルな色の壁の家が並び、その住宅街を抜けるとポートベローだった。が、やはり平日、出店も少ない・・・・ていうか無い。ガイドブックに載っている様な蚤の市的な光景は無かった。
まあ、色々なお店があったのでそのなかのジャンクショップで激安生活雑貨を買った。その通りには、FISH&CHIPS屋があって本場のやつを買ってみるが・・・
あまりにも大きくて・・・てか、裕に30cm位の魚を丸々揚げて新聞紙にドッカンと包みポテトもどっさり・・・それにプラスチックのスプーンをつけて、ハイって手渡されても・・・・・ねえ?・・・一人じゃとてもじゃないけど食えねえっす・・・がんばって食ったけど3分の1は捨てました・・。
多分この店のF&Cは主婦達が今晩の夕食の食卓用に買うお惣菜だったみたいです。
そのお店で目にした印象的な光景で学校帰りの推定小3くらいの男の子2人(カワイイ!)がチップス(フライドポテト)を買ってモルトビネガーをたっぷりかけて買い食いをしてて・・
彼らは常連さんらしく店主とフランクにくっちゃべってました。

ポートベローでもお土産になるような生活雑貨をGETしてノッティングヒル駅近くの古着屋でスタッフへのお土産Tシャツとブリットなウィンドブレーカーを買い宿へ荷物を置いて、いざロンドン最後の夜へ!
しっかり想い出を作らなきゃ!!と気合を入れて徐々に乗りこなしつつあるロンドンバスでロンドン市内を横断する路線を選び、今夜のお目当てのライブが行われるリヴァプールストリートへ!!

ロンドン・コーリング 其の5 「最終回 ロンドン最終夜&さようならロンドン・・」

1月10日(水)1月12日(金)
3日目の夜から翌日、帰国までの出来事(帰国で丸一日かかります・・)。

3日目、丸々一日使える最終日ということもあって気合を入れて起床し今日はマーケット中心に廻ろうと思いカムデンロックマーケット→ノッティングヒルに移動→ポートベローマーケットという感じで昼間は動いてたくさんお土産やら服
などを買いました(服は物価高くてあんま買えなかったけど・・)。

夜は今日もライブを見に宿とは少し離れたリヴァプールストリートへ。
93FEET EASTというライブハウスでお目当てのバンドが出るので・・・
最終日にしてやっと乗りこなせるようになった二階建てバスで目的地へ向かう。
サークルになっている地下鉄を真横に突き抜けてく感じでバスはロンドン市内を横断していく。ロンドンに来てまともに観光をしてなかったのでちょうど良かった。
いろんな市内中心部にある名所をバスの二階から眺めるのは中々心地よかった(バスの中はゴミがいっぱいだったけど)。
もう日が暮れてトラファルガースクエアーやセントポール大聖堂、ロイヤルオペラハウスなど綺麗にライトアップされて素敵でした。とくにセントポール大聖堂の歴史を感じさせる崇高な姿には感動しました。口をポカーンとあけたままずっと窓の外の英国の昔と今が共存する箱庭的な景色に目を奪われてました。(バスの二階の一番前の席が運良く空いてたから目の前の視界も抜群だった!)
そんなことをしてたらいつの間にかバスの中の電気が消えていた・・。
周りを見渡すとバスの中に誰もいなくなっていた・・外からおじさんが僕を指差して運転手に「まだ二階に客が1人いるよ!」みたいなことを言っていた。
運転手に呆れた顔されてバスを降りたらそこはもう思いっきり車庫だった。
全然気付かなかった・・・。
恥ずかしい・・と思いつつ心の中で「やった!ネタが出来た!」と思った。

リヴァプールストリートは空港で出会った青年にオススメされたところだった。
ファッション雑誌によく出ている最近のおしゃれスポットと言っていた・・・が・・
なんか夜は店が閉まってて物騒な感じ・・・。インド系のお店がいっぱいある。
カレー屋が3軒連続であったりする・・。あんまおしゃれじゃないじゃんか・・。
そんなスパイスの香りのする通りをずっと歩いていくと93FEETEASTに到着!
中を覗くとなんだかまったりとした雰囲気・・・・看板にも何も書いていない・・
ポスターに最近のスケジュールが書いてあったので見てみたら・・・
今日の予定がブランクになっている。。またしてもやってしまったようだ・・・・
昨日に引き続き去年のスケジュールを見てしまったようだ・・・
失意のどん底に陥り、トボトボとスパイシー通りを引き返し予備で調べておいたソーホーにあるライブハウスに仕方なく行く事にする・・・。

ソーホーに着くや否や焦ってMETRO CLUBというライブハウスを地図を見ながら探すが中々見つからない・・・
最終日の夜なのに何もせずに終わるなんていやだ!!絶対探してやる!って思いSOHOをグルグル回って探すが・・・ない・・・。
疲れ果てて、もういいやって思いマクドナルドでコーヒー飲んでライブは諦めてこうなったらクラブで踊り狂ってやる!と思いノッティングヒルで行われるアラン・マッギー(OASISなどが所属していたクリエイションレーベルのオーナー)がDJをするというイベントに照準を合わせる。
しかし・・その場所がいまいち情報が少なく今の自分には辿り着ける自信がない・・
また路頭に迷ってマクドナルドか・・・と思うと・・。
どうしようかと思いながらマックを出て通りの向かいに目をやると目の前に飛び込んできたのがMETRO CLUB!!
てか、何回も前通ってんじゃん!!・・・
しかし、ライブはもう半分終わってる感じで・・名残惜しそうにスケジュールを見てみると23:00?DJイベントがあるっていうことが判明!!
しかもジャンルは僕の好きなロック寄りのダンスミュージック!!
もうここでいい!むしろこれがいい!
と思い23:00までパブでビールを飲もうと思いぶらぶらと物色してたらなにやらドラッグクイーンが歌を歌っているパブに遭遇。面白そうだから入ってみる。

込み合う店内の人を掻き分けやっとこ辿り着いたカウンターでジョン・スミスというエールを注文。ドラッグクイーンはカラオケに乗せてアバやぺトラ・クラーク、ノーランズなどのヒット曲を美輪明宏ばりに歌い上げていた。それにあわせて
みんな大合唱!野太い声でかわいらしい歌を大合唱・・・
ん?野太い声ばかり?
そういえばさっきから俺のほうをチラチラ見てるおっさんがいるんですけど・・・
なんかやたら笑いかけてくるんですけど・・・・
カップルなんだけど男の人と男の人なんですけど・・・

てか、ここゲイパブなんですけど・・・・・。

もう、いいや!ゲイパブだってナンだって楽しけりゃイイヤ!
最後のロンドンの夜だ!ゲイのふりして楽しもう!店の中だけはね!的なノリで例のおっさんと仲良くなってお酒おごってもらって、
いろいろ優しくしてもらって、最後ハグしてお店を後にしました・・・。
なんだかんだ言ってちょっとゲイって楽しいかもって思いました。

それから、酔っ払った勢いのままクラブへ突入!!
カールスバーグがこの日は3ポンドで瓶2本というやつをやってて初っ端から飛ばしてダンシング!メッチャ気持ちいい?!(北島康介風に)
流石ロックの名産地ロンドンですわ?!流れる曲もよければオーディエンスの反応もよいっす!!いろんな国の人がいたと思うけどみんな楽しそうでもう最高!
知ってる人がいなくたって、話す言葉が通じなくったって、音楽という共通言語で素敵にダンシングコミュニケーション!!
阿呆みたいに踊り狂ってたらド派手なオネーちゃんがそばによって来て
「Are you chinese? 」と聞かれたんで
「No、I'm japanese」と答えたら
「モシモ?シ!!」と叫ばれた・・・
そういえばロンドンに「もしもしRECORDS」っていうレーベルあるしなあ?・・・。
そんで、スペイン人のダンサーの人と仲良くなってステージみたいなとこで調子こいて踊ったり、ナンパに付き合わされたりしてかなり自分的にカオスな感じに成ってきたところでふと我にかえり
「あ、明日朝早く起きなきゃ帰れなくなっちゃう!・・・・」
と思い、スペイン人に別れを告げナイトバスで宿に帰ろうとしたんだが・・・
よりによって今日は運行なし!?・・・・
なぬ?!!ま、まずい・・・TAXIか・・・お金足りるかな・・・
などと困り果ててたら・・日本人の女の子2人組みに遭遇!!
どうやらナイトライフはお手の物的な感じだったので
「パディントンまで帰りたいんだけど・・・バ、バスが・・・な、ないねん・・・(泣)・・・どうしたらいいと思う?」と困った質問をぶつけてみたりしたら、
「向こうの通りからもう1本出てるよ」とあっさり教えて下さって、もうその時は天使に見えました。
特に左の子・・・(まあ、もう覚えちゃいないが・・)。

バス停の近くのSUBWAY(ロンドンにはやたらとSUBWAYが多かった)でミートボールの入ったサンドウィッチを買って、バスの中でチルアウトしながら食べた。

なんだかすごく幸せだった。

それは最後の夜が最終的にはすごく楽しく過ごせた事、
無事に宿に帰れる安堵感と
それとミートボールがおいしい事と・・・。

宿に着くなり爆睡して3時間くらいの睡眠で最後の朝食を(もう完全に飽きた)ノルマ的にとって絶対に乗り遅れる事のないように空港に向かう。
3泊しかしてないのに宿を離れる時少し寂しくなった。

狭くて汚いけど僕のロンドンでの基地だったから・・・。

ヒースロー空港にはそれぞれの国に帰るそれこそいろんな国の人たちがいて興奮した。
多分こんなにたくさんの外国人の中にいるのは初めてだろうと思いいろんな言語に耳を傾けてた。日本に向かう便の搭乗口はものすごく遠かった・・・
日本てこんな扱いか・・・と思いながらお土産でパンパンのバッグを疲労困ぱいで引いてやっとたどり着いた・・。
ロンドンから帰る日本人の人たちが続々と集まるのを見ながらなんかホッとするような感覚になった。
だってみんなちゃんと(ちゃんと?!)日本語喋ってるんだもん・・。

離陸する時ずっと窓の外を見ていた。
僕は見なかった大観覧車などが見えた。
そしてやっぱり茶色い屋根の家々・・・。

この3日間でいろんなものを見ていろんなことを感じて取り敢えずいっぱい
お金も使ってみたりしたけど、
これは僕の歴史に確実に鮮明に刻み込まれる出来事だった事を痛感した。
何かこう知らない扉を開けてしまったかのような・・・
違う世界を目の当たりにして日本という国を客観的に見れてこれからまた日本で生活をする上でこの旅は絶対に何かのターニングポイントになるに違いない!違いない!・・・と思いながらウトウトと・・・
そして、素晴らしかった3日間の夢の世界からいつも見る夢の世界へスライドしながらロンドンの曇り空を抜けていったのでありました・・・・。

さようならロンドン!
・・・・・・・また会う日まで!!