2019 広島の桜尾ジン。SAKURAO DISTILLERY見学(広島県廿日市市)

久々の広島帰省がありまして。。
およそ7年振り(笑)
せっかくなので、広島が誇るクラフトジン。桜尾のある中国醸造株式会社を訪れてきました。

広島市内を縦横無尽に走る市民の足的な路面電車。広電廿日市駅から歩いて10分位にある、カジュアルに行ける場所です。

敷地も広いが、建物も大きい。
入口に迷ってグルグルしちゃったけど、無事にたどり着きましたw

見学コースは1日に3回。
有料の盛り沢山コースが2回に、無料の見学コースが1回。
僕は朝10:30の有料コースを。
月曜の朝というのもあって、参加は自分1人だけ。申し訳ない気持ちを抱えつつ製造の木下さんにご案内して頂きました。

こちらの会社は、だるま焼酎。日本酒は弥山。ウイスキー。ジン。リキュール等色々。

こちらは昔使ってた単式蒸留器。
大阪の三宅製鉄所って所のものみたい。
ボテッとした可愛さのあるやつです。
歩きながら中国醸造の歴史を教えて頂きまた。

一際目立つ高い建物には、巨大な連続蒸留機が。5年前まで稼働していたみたい。
折れ曲がり上に伸びる連続蒸留機。

100年前に広島の15の会社で費用を出し合って購入。当時は合資会社スタートという事で。15年前に株式会社に。

錆びついた鉄の扉。
日差しが薄暗い建物の中を照らして、永い眠りにつく蒸留器を見守るような、何とも言えない不思議な空間がそこに。

ちなみに、こちらは海の近く。
当時はこの連続蒸留機を使って95%のグレーンスピリッツを作り、焼酎や日本酒に醸造アルコールとして添加して出荷したりと。そしてダルマ焼酎スタート。 18リットルのカメに入れ、船に乗せて四国、九州に出荷。広島近郊よりも、認知度が高かったみたいですねー。

焼酎は白、黒麹菌といった強い酵母を使用。クエン酸を使って他の菌を殺してくれるけど酸っぱい強い麹。日本酒には、生麹っていう柔らかい酵母菌を。
そして両方の酵母を使う平行複発酵というみたいで日本の生み出した文化みたい。

そんなこんなで到着~

一歩中に入ると、ガラス越しに綺麗な蒸留機が。

単式が一機に連続が一機。
単式は一度に1.5トン入るそうで。
ここでは、ウイスキーとジンを製造。

小柄な麦芽粉砕機~。
麦芽粉砕は1トン単位。
そして粉砕した麦芽とか。

麦芽は、ピートタイプとノンピート。オーストラリア産とスコットランド産。ピートモルトは、スコットランド産のみ。

マッシュタンク。
こちらも1.5トンの容量。

そして奥に並ぶ4.5トン入る熟成タンク。
3回分のウォートを入れられるサイズ。
発酵樽は3種類。少しずつ変えてるらしいですね。
ウイスキーのウォッシュは2日で、7.8度のアルコールを目指すようです。

単式一機で、ウイスキー造りかぁ。
と思って、隣のカフェ式使うんでしょか??って聞いたら、ちょっと手間がかかるそうですが、1.5トンのウォートをまず初留して、 ハートの部分を抜き取った初留液を別のタンクに保管して、それを3回貯めた総量1.5トンの初留液を単式蒸留機で、再留するといった製法するみたいです。。なるほど。

その日のタンクには、ウイスキーの仕込みしてました。良い香りだぁ♪
桜尾のウイスキーはまだ始まったばかりですが、実は昔から。
地ウイスキーブームの頃に大量の原酒を造ったみたいです。まだ等級表記や一升瓶ウイスキーのあった頃。

熟成場所は、この場所だと寒暖差が激しく、年間のエンジェルシェアが多くなっちゃうから探した所、県北部、広島では有名な三段峡。 ちなみに河原やバーベキュー、キャンプ等景色も良いし自然豊な場所ですよー。川遊びとかね。
こちらのトンネルを借りて、原酒を熟成させてたそう。温度差が少ない。気化も少ない。当時はこの熟成場所の戸河内という地名から、戸河内ウイスキーとして出してたみたいです。

当時は全然売れなくて、ウイスキー造りもストップして。原酒がいっぱいあったんだけど、しばらく後にフランス人が殆ど買っていったようです。

現在は8年のみ。そしてノンビンテージ。昔は16年もあったけど、今はもう無いみたいで。。

そうした中、創業100周年に向けて再びウイスキー造りを再開したようです。
2021年の販売を目指すって言ってました。3年もので出す予定。

ニューポット試飲できました。
ミディアムピーティタイプ。
ニューポットのわりには、柔らかく上品に甘い。ピートも柔らかで、製品化が楽しみ。
これは期待が膨らみます♪
ちなみに、戸河内ウイスキー製造は20~30年前くらい。

そのままジンのお話にも。
こちらはどちらも製造するハイブリッド蒸留所。

ジンの製造は、連続蒸留で作ったアルコールをポットスチルに、ベースのボタニカルを浸透させて蒸留。

カフェ式との間にあるステンレスタンクの中にバスケットにザルに乗せた他のボタニカルを入れて蒸留液を通し、連続蒸留にかけるハイブリッドタイプを採用。

ジン製造にあたってshadでジンを学ぶ。
機械は、スイスとハンガリー製。

ここでボタニカルの説明も色々としてくれました。桜尾ジンは、輸入もの&広島のものをmixしたスタンダードのドライジンと。広島のボタニカルだけで造ったリミテッドエディションがあります。
広島のジェニパーベリーは、広島の山の上に、もともとあったらしいw
そんな偶然って。。

野生のジェニパーベリーは、
8人の農家協力のもと、収穫できたみたい。
ジェニパーベリーはメスの木しかできなく、大半が雄の木だったようで、しかも実をつけるのに3年かかる。なかなか大変です。でも木や葉にも素敵な香り。
家具とかアロマオイルに使えそう。

広島産のは、フレッシュを使い1週間浸透させると言ってましたね。硬いし。
香も柔らかい。その為、広島のは柔らかいジンを目指す。廿日市の桜なんかも使う。

輸入は、マケドニア産。柔らかくて香りも付けやすそう。ドライフルーツみたい。浸透は1.2日程度で充分。
便利なものですねー。

リミテッドの広島ボタニカルオンパレードは牡蠣も使ってます。

流石に殻だけ。風味もそこそこに。
やや潮を感じるかな程度に。
広島と言えばレモン。実も使う。そしてフレッシュなものを。他にもネーブルっていう甘いオレンジみたいなものも。広島では良く食べてます。

そして、クロモジ。
何とも表現が難しいスパイシーでウッディな複雑で素敵な香り。アッサムティーの様な焙じた香りもするし。あぁこれはクロモジねって、そうそう言えないw

ボタニカルはそれぞれ入れるタイミングが違うようで。付けたい香りのバランス次第。なるほど。一度にドンでなくて。経験とセンスですねー。

そしてピンクのリミテッドジンは、年1位のタイミングで。ジェニパーベリーが入手したら。なかなか入手困難そうですしね。

それから最近造られたハマゴウジン。
こちらは、宮島産のハマゴウを使用。
夏にとれるから、そのタイミングで年1製造。こちらも楽しみなプレミアムジン。

なかなかの情報で盛り沢山です。
満腹中枢がやばい~(笑)
このあたりで見学終了。試飲タイムだぁ。

桜尾ウイスキーのミディアムピートタイプのニューポット。桜尾ジンのスタンダード&ミテッド&ハマゴウ3種に、桜尾ジンのスタンダードを使用したジントニック。

スタンダードは、オレンジっぽい風味を。時間が経つとレモン感も。ジェニパーが綺麗に香るザ・ドライジン的な味わい。
ジントニックも美味しく飲めちゃう♪

リミテッドは、シトラス、レモンとか爽やかに。やや潮味も。時間が経つと緑っぽさ。お茶や木の葉も。これはストレートや、ちょい加水で飲むのが良さそうだなぁ。ソーダで割っても。

ハマゴウは、ジェニパーベリーもしっかりで、ハーヴィー。スパイシーに。
フランス産のジェニパーベリーを使うことで柔らかい香りが、ハマゴウを引き立ててくれてましたねー。

グレーンスピリッツは、トウキビ100%現在は、今は製造してないから県外で依頼みたいです。

流石広島。こんなのも。

もみじ饅頭リキュールの試飲は抹茶と餡を。冷蔵でストレートも良いけど、ミルクも間違いなくオススメ。

ディップは、レモンペースト、ゆずペースト。牡蛎レモンオイルを。広島盛り沢山。

生乳を使ったリキュール。
三種の。シャルドネ、ライチ、ラフランス。果汁を使って。ソーダでもオススメ。

あとは、芋焼酎とかもありました。
度数も40度くらいあったような。。
冷凍庫でキンキンに。

他にも日本酒とかも飲みながら、ゆっくり過ごさせて頂いちゃいました。
色々とご親切にして頂きましてありがとうございます。ご馳走さまでした。

これから熟成される桜尾のウイスキーも楽しみです♪

記 やっしー。